架橋フェノール樹脂の物性評価
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全原子モデルを用いた分子動力学法によりフェノール樹脂の架橋構造と物性の関係について評価しました。架橋構造は直鎖状オリゴマー(9量体)の架橋反応により作成しました。架橋度(D)は70%, 82%, 92%の三種類について検討しました。 |
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Fig.1 Cross-linking reaction model of phenolic resins |
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Fig2.Simulation of crosslinking reaction |
架橋構造のガラス転移温度(Tg)に関して、架橋度の影響を評価しました。Fig.3に示すように、架橋度が高くなるとともにガラス転移温度も高くなっています。これはセグメントの運動が架橋により抑制されることを示唆しています。 さらに、ガラス状態における架橋構造の力学特性評価のため、300Kにおける一軸伸張を実施しました。得られた応力ひずみ曲線をFig.4に示します。応力ひずみ曲線は、明確な架橋度依存性を示すことが確認されました。 本計算の詳細は参考文献1をご参照ください。 |
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Fig.3 Change in specific volume: red, D = 70%; blue, D = 82%; green, D = 92%. The glass transition temperature of each structure was determined from the change in the slope. |
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Fig.4 Stress-Strain Curves: red, D = 70%; blue, D = 82%; green, D = 92%. |
●参考文献
(1) A. Izumi, T. Nakao and M. Shibayama, Soft Matter, 2012, 8, 5283-5292. |