MDによる溶解度パラメータの評価
水、オクタン、ベンゼン、エタノール、メタノールの溶解度パラメータ(SP値、δ)を全原子モデルのMD計算により評価しました。 水はSPC-FWモデルを使用し、その他の分子はJ-OCTAでのモデリングを行いました(力場はGAFFを用い、電荷はMO計算により求めた値を付与しました)。粒子数が700個程度となるように系内の分子数を決定し、それぞれの分子で単一組成の系を作成しました。境界条件は周期境界とし、MD計算には弊社ソルバーである「VSOP」を使用しました。 NPTアンサンブルによる300KのMD計算を実施して緩和状態とし、さらに計算を実施して溶解度パラメータ算出用の時系列データを取得しました。溶解度パラメータ(SP値)の算出にはJ-OCTAのDPDモデラの機能を用いました。この手法は擬真空中の孤立鎖のポテンシャルエネルギーとバルク状態のポテンシャルエネルギーの差から凝集エネルギーを求め、以下の式により溶解度パラメータを算出するものです。
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図1 MDによる溶解度パラメータの推算値と実験値の比較 | ||||||||||||||||||||||||||||||
表1 密度および溶解度パラメータ MDによる推算値と実験値 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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●参考文献 [1] A.Maiti and S. McGrother, J. Chem. Phys., 120, 3, 15 (2004) [2] Allan F. M. Barton The CRC Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters, Second Edition CRC Press, (1991) |